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丘のうえから

異なる歴史と文化

令和2年8月3日

 

 

 こんごう福祉センターは、医療型障害児入所施設及び療養介護を行う「すくよか」、介護保険サービス事業を行う「かんなびのさと」、施設入所支援事業等を行う「こんごう」「かつらぎ」「にじょう」の事業団設立5施設と大阪府立福祉型障害児入所施設等の指定管理として「しいのき寮」「すぎのき寮」の計7施設で構成されています。

 同センターは、前身の大阪府立金剛コロニー設立から数えて50年になります。いささか表現が大袈裟ですが、こんごう福祉センターには、善きも悪しきも「きたおおさか福祉センター」並びに「みなみおおさか福祉センター」には無い文化の違いがあります。法人とコロニーが同時期に設立されたことによる、当初からの運営・事務部門と支援部門の完全分離システムによるものです。これは、法人事務局を中心とした大規模施設群を効率的に運営するための一つの手法でした。

 現在は、「きた」や「みなみ」と同様に各施設が独立採算制で運営されています。しかし、今も事務局が同一敷地内にあることなどによる職員意識上の依存体質が残ります。解消するのは難しく、立地上のことでもあり、完全実施すると一部事務処理の非効率も生じます。問題は、設置当初から地域の中に溶け込むことを前提とした独立色の強い2センター各事業所と当センターとの職員意識上の法人内ダブルスタンダードです。実は、多くの職員はどちらか一方でしか勤務経験が無く、気付いていないことも問題です。些細なことかも知れませんが、実務を行う上で結構これが厄介に付き纏います。

 全国有数規模の障害福祉サービス提供拠点として半世紀の歴史の重みを感じながら、年々変化する福祉情勢と大規模施設の実質民営化へのマッチングに取り組む毎日です。まだまだ、試行錯誤が続きます。それは当法人が発展途上である証しであり、言い換えれば、今後の伸び代でもあります。

 法人民営化の変遷については、8月上旬に本ホームページ内で公開予定の50周年誌をご覧ください。事業団のこれまでとこれからが、詳しく掲載されています。

 

 

こんごう福祉センター長


「張り詰めた気持ちに和らぎを」

令和2年7月20日

 

 

 大阪府で緊急事態宣言が解除され、2ヶ月が経とうとしています。「新しい生活様式」への対応に戸惑いながらも、利用者、職員ともに笑顔が戻ってきたことを実感しています。

 事業所の管理者として緊急事態宣言中を振り返ると、毎朝、体調不良の利用者、職員がいないかを確認し、もしコロナウィルス感染者が発生した場合のシミュレーションを常に考えていました。そして、家に帰るとインターネットで今日一日の全国の感染者数を調べては一喜一憂するなど、かなり張り詰めた状態で毎日を過ごしていました。そんなある日、利用者のご家族より小包が届きました。開けてみると、赤いバラとカーネーションの花。そして「感謝」の2文字。それを見た瞬間、張り詰めていた気持ちが一気に和らいだことを覚えています。

 今後、予想される第2波が襲来したとき、また、万が一、事業所内で発生したとき、ギリギリで張り詰めた気持ちで働く職員に対して、管理者として、何が出来るのか、一時的でも和らぎが提供できるのか、今の間にしっかりと考えていきたい。

 

【職員採用向け「かつらぎ」紹介動画】
https://www.youtube.com/watch?v=AxMSZU-b-xk
(全編3分22秒)

 

かつらぎ


特養に配置されている障害者生活支援員って?

令和2年7月6日

 

 

 高齢介護施設では、視覚障がいや聴覚障がい、知的障がいの方へ専門的なスキルを持って支援にあたれるよう、障害者生活支援員の配置加算があります。

 知的障がいの方の心身の機能低下は、一般の高齢者より進行が速いといわれています。その要因としては、ご自身のニーズを言葉で表現することできなかったり、社会との触れ合いの場が少なかったりといった背景により、生活リハビリの機会が少ないことが考えられます。

 そこで、かんなびのさとでは障害者生活支援員が中心となって、多様な余暇活動プログラムを提供しています。例えば、音楽に合わせての体操、カラオケ、映画会、スイーツ喫茶店、ノンアルコール居酒屋、ハンドマッサージ、普段着ないような衣装やお化粧をしての変身写真館などを行っています。楽しい時間を通して、意欲を引き出したり、様々な人との交流の場やリラックスできる場づくりに取り組み、入居者様ご自身で出来ていることが少しでも長く継続できるよう、また、張り合いのある楽しい毎日を過ごしていただけるよう支援しています。

 また、地域のボランティアの方にもご協力をいただき、お茶・お花教室、絵画クラブ、工作クラブ、民謡クラブ、歌おう会、オカリナ演奏、挽きたてコーヒーを楽しむ日等も行っています。

 これらの活動は、各ユニット内でなく、施設内の地域交流ホールで行うことで、

ボランティアさんやユニット間を越えた入居者様の交流の場となりますが、コロナウィルス感染予防の観点から、ボランティアさんの受け入れやユニット間を超えた交流を自粛してきました。緊急事態宣言の解除を受けソーシャルディスタンスに配慮しながら徐々に交流の幅を広げています。

 そして今では多くの入居者様から「今日はなにがある?」と、地域交流ホールが開くのを心待ちにしていただいています。そんな皆様からのうれしい声に、障害者生活支援員も楽しいイベントになるよう日々奮闘しています。

 さあ、今日も皆さんの笑顔とたくさん出会えますよう、張り切っていきましょう!

 

かんなびのさと