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丘のうえから

すくよかなるもの

平成29年10月16日

 医療型障害児入所施設、療養介護事業所である「すくよか」は、開所より10年が経過しました。しかし、未だに「すこやか」や「ふくよか」などと間違われることが多く、その都度訂正をお願いしています。

 「すくよか」の語源を探ってみると、南北朝時代に作成された歴史物語「増鏡」にまでさかのぼります。「~大和・河内・伊賀・伊勢などより兵ども参り集ふ中に、事の始めより頼み思されたりし楠兵衛正成と言ふ者あり。心猛くすくよかなるものにて~」とあり、ここから施設の名称が採用されました。

 「すくよか」の意味を調べると、すくすくと育つさま、丈夫であるさま、心がしっかりしているさま、律儀、無愛想とあります。楠正成の当時の様子を描写した言葉ですが、現在の「すくよか」にも相通じるものがあります。健全で向上心を持ち(育つ)、経営基盤を固め(丈夫)、安定した運営を行い(心がしっかりしている)、利用者の皆様、ご家族の皆様等に真摯に対応し(律儀)、時には寡黙に仕事に集中する(無愛想)。

 これからも、重度障がい児者のセーフティーネットとなるべく、精進していきたいと思っています。

すくよか

 


事業団の歩みを見守り続けた50年

平成29年10月2日

 パリーン!ガラガラガラ~ガシャーン!グォードーン!

「金剛コロニー本館」として建設され、「総合管理棟(そうかん)」の名で親しまれた建物。新築の法人事務局でこの原稿を綴っているまさにその横で、大きな音を立てながら取り壊しが進められています。

 春は桜やツツジの花に囲まれ、夏は蝉の大合唱。秋は金木犀の香りと木々の彩りを楽しみながら、キンと冷える冬を待つ。職員は、この建物で採用辞令を受けとり職に就き、退職辞令を受けとり職を退く。「あの部屋でな・・このロビーでな・・あの絵はな・・この作品はな・・。」少し近寄り難い、緊張感の漂う「そうかん」でもありましたが、諸先輩方の様々な熱い思いとともに事業団の歴史を刻んできた大切な場所。大自然の中、約50年の変遷を一番近くで見守ってきた身として、今、どのような思いを抱いているのでしょう。

 事業団のスタートを切ったこの建物がなくなってしまうのは、少々淋しい。しかし、その半世紀の歴史に恥じないよう、そして50年後に誇れるよう、利用者・職員とともに歩みを進めていきたいと思います。

総務課

 


『地域に根づく』~こども発達支援センター mum(マム)~

平成29年9月19日

 mum…現在では、照れくささもなく、当たり前の名前となりました。

皆様から愛される、そんな場所になればとの思いで、欲張りながら色々と名前を考えました。

mumという名前に決定した時には、電話で名乗るのも少し恥ずかしさがあり、周囲の方からmumと言われると、何だか気恥ずかしい気持ちだったことを思い出します。

当時、多くの皆様のお力添えを頂き、期待を一身に受けて開所し、この9月で、一周年を迎えることができました。

 先日mumを利用しているお子さんが、友だちとの関わりについてひとりで相談に来てくれました。療育の時間でもなく、保護者と一緒でもなく、ひとりでmumに来てくれたことに、職員皆が喜びとやりがいを感じました。

地域に密着した事業をするということは、このような生活の中にこそあるということを、改めて知ることとなりました。

 これからもmumを必要として頂いている利用者の皆様や、そのご家族の皆様の気持ちに寄り添える支援員であり、チームでありたいと思っています。

 mumの名前は、委託を受けた市の花「菊」が由来となっています。

その花の名は、「窮まる(きわまる)」が語源で、一年の最後に咲くことに由来しているそうです。

花の少ない季節に咲き皆を楽しませる菊のように、全ての人に笑顔の花が咲きますように。

 

※「こども発達支援センターmum」では、河内長野市に在住する、自閉症スペクトラムの診断を受けた児童、発達のサポートが必要な児童を対象とし、子ども一人ひとりに合わせた個別の専門療育プログラムを提供しています。

地域生活総合支援センターきらら